NPO法の成立

 

 NPOとは英語のNon-Profit Organization の頭文字をとったもので、一般にボランティア活動や市民活動をする非営利(利潤を追求しない)団体の総称として使われている。このNPOに法人格および税制上の優遇措置を併せて与える「特定非営利活動促進法」(以下、NPO法)が1998年3月に成立した。 NPO法成立の直接のきっかけは、6,200余名の犠牲者を出した阪神・淡路大震災であった。このとき全国から集まったボランティアの活躍が注目され、このようなボランティアの活動を継続・発展させるために、NPOが法人格を取得できる道を開く法律(NPO法)の制定の必要性がクローズアップされるようになった。折しも介護保険法の成立により、介護サービスの提供者としての市民団体に法人格を与える必要性も緊急なものとなり、NPO法が介護保険法成立の3か月後に成立することとなった。

 NPO法は「特定非営利活動を行う団体に法人格を付与すること等により、(中略)市民が行う自由な社会貢献活動としての特定非営利活動の健全な発展を促進し、もって公益の増進に寄与すること」を目的としている(第1条)。「特定非営利活動」とは、①保健・医療または福祉の増進を図る活動、②社会教育の推進を図る活動、③まちづくりの推進を図る活動など、別表に掲げられた12の活動に該当する活動で、「不特定かつ多数のものの利益の増進に寄与することを目的とするもの」である(第2条1項)。