輸入できない薬・できる薬

 向構神薬に関しては、「麻薬および向精神薬取締法」の「別表」に記載された薬については輸入が禁止されています。ちなみにこの「別表」、数年に一度は改訂されるもので、インターネットでは「法庫」などのページで公開してくれています。

 たとえばリタリンは、このリストに載っていますから、海外通販で買ってばイケマセン。日本の医者にかかってもらいましょうということです。

 次に日本では医者から処方されている抗不安薬デパスはどうでしょうか? こちらはリストに載っていませんので、たとえばイタリアや韓国の業者で扱っているのがあれば、輸入しても大丈夫です。理不尽ですがこれも法律です(もっとも、向精神薬も含めて規制医薬品については国際的な取り決めがあるので、まともな通販業者ならこれらの薬はリストから外してあるという事情もあります)

 それでは人気の抗うつ薬プロザックはどうでしょうか? これもリストには載っていませんので、基本的には輸入OKです。「基本的には」と言っだのは、いくつかの条件が付くからです。

 その条件とは、

 1、海外の医薬品で、なおかつ日本で出回っていないものを

 2、本人が使用する分に限って

 というものです。

 これは、

 麻薬及び向精神薬取締法第50条2

 本邦に入国する者のうち、自己の疾病の治療の目的で向構神薬を携帯して輸入する者であって厚生省令で定めるもの。

 この条文を拡大解釈して、OKとされているのです。

 もしこの抜け道が無いとなると、たとえば海外で病院にかかった人が帰国後に合う薬がなくて死んでしまうというヶIスも予想されます。さすがにそれはまずいので、こうした抜け道が用意されているのです。向構神薬以外にも、日本で認可されていない新しいエイズ治療薬や抗ガン剤に関しては、基本は自己責任でどうぞやってくださいということになっています。

 とはいえ、この抜け道を利用して輸入した薬を譲渡・売買するのは違法です。条文は「自己の疾病の治療の目的で」とうたっていますので、輸入した薬を人に売ったりあげたりしたらダメなのです。そんなことは医師や薬剤師の商売の邪魔になりますから。

 また、家に不在がちだからと住所を会社宛にするのもトラブルの元です。あくまで「個人」の治療目的に限られるからです。