2015-04-08から1日間の記事一覧

テロメアとテロメラーゼ

ヒトをはじめとした真核生物のDNAは直線状二本鎖DNAとして23本の染色体に分かれて収納されている.おのおのの染色体においてDNAは2つの端を持つが,このDNAの先端領域はテロメア(telomere)と呼ばれる.テロメアにおけるDNA鎖の両端は特別な…

遺伝子の複製

DNAは片方の鎖を鋳型として複製を合成できるため,同じ塩基配列を持った子孫DNAが次々と生まれてゆく.これがメンデルが洞察した遺伝子現象の本質である. DNA複製にはDNAポリメラーゼ(polymerase)と呼ばれる酵素の助けが必要である.DNAポリメラ…

染色体の中に収納されている遺伝子

DNAは細胞核の中にある染色体に存在する.染色体はDNAのみでなく数多くのタンパク質で構成される巨大な複合体である.ヒトの1つの細胞核に存在するDNAは全染色体を合わせると実際どのくらいの長さになるのであろうか.まずヒトのDNAは約30億塩基対…

スプライシング機構

多くの遺伝子の塩基配列が決定されるにつれ,エキソンに挟まれたイントロンの両端の塩基配列は必ず左端はGT,右端はAGとなっていることがわかってきた.これをGT/AGルールと呼ぶ.さらにくわしく調べていくと塩基配列が共通配列として浮かびあがっ…

分断されているヒトの遺伝子

1970年代に入って哺乳動物の遺伝子の構造がくわしく研究されてゆくにつれ,意外な事実が浮かびあがってきた.つまり,遺伝子の塩基配列とmRNAの塩基配列かおるところで突然一致しない部分が出現したのである.ところが遺伝子の塩基配列をしばらく続けて…

遺伝子の翻訳とタンパク質合成

タンパク質の合成は転写されたmRNAに大小2つのサブユニットから構成されるリボソームと呼ばれる巨大なタンパク質・RNA複合体が結合することにより開始する.この過程全体は翻訳(translation)と呼ばれる.リボソームが合体して生じたP部位,A部位と…