スプライシング機構

 

 多くの遺伝子の塩基配列が決定されるにつれ,エキソンに挟まれたイントロンの両端の塩基配列は必ず左端はGT,右端はAGとなっていることがわかってきた.これをGT/AGルールと呼ぶ.さらにくわしく調べていくと塩基配列が共通配列として浮かびあがってきた.この共通配列にはスプライシング複合体の構成因子である小分子RNA(U1snRNA)のy末端が水素結合を形成してスプライシング反応開始のジブチルを発する.これを受けたスプライシング複合体はイントロンの中央部にある共通配列(酵母ではTACTAAC)を検出してAの位置で分枝構造をとるように結合し,イントロンは投げ繩構造をとることでスプライシング複合体によって切り離されてゆく.その後エキソンは連結されてスプライシング反応は完了する.このように複雑な機能を果たすスプライシング複合体は20種類ほどのタンパク質とRNAから構成される複合体であることがわかっている.