スマート・ドラッグ:メラトニン

 

 ほとんどのスマート・ドラッグは、アメリカでは医薬品ではなくて健康補助食品としてスーパーやコンビニなどで売られている。医薬品としてFDAから認められていないのである。認められていない理由としては、

 1、薬理作用がはっきりわかっていない

 2、医薬品としては作用が弱すぎる

 といったことがあると考えられる。

 はっきりわかっていないことが多いので、薬の解説も難しい。さまざまな資料をあたっても治験データは出てこないし、データが見つがっても信憑性が疑わしいものが多いのだ。そんな訳で、わかっていることを以下にまとめた。しかし基準になるデータがないので薬の評価はしていない。どの程度効くかは、体験記を参考に各自で確かめてほしい。

メラトニン 

 アメリカではコンビニで売っている睡眠薬。もともとアメリカは睡眠薬をスーパーで安売りしていたりする土地柄なのだ。海外旅行のお土産でもらった人も多いと思う。しかし、睡眠薬としての評判は悪い。12人(68~84歳)の不眠症患者に用いた臨床データが最も信頼のおける報告だと思われるが、これによると}時間強の睡眠時間の延長が見られたものの眠気が来るような結果は見られなかった。この結果からみても、睡眠薬というより睡眠リズムの狂った人や高齢者の不眠症治療に有効な薬だと思った方がいいだろう。

 また、肝心のメラトニンを受け止める脳内の受容体は未だによくわかっていない。今後研究が進むかもしれないが特に強い作用が見られるわけでもない。ただしメラトニンを作る松果体の腫瘍患者に早熟傾向か見られることから細胞の老化を防ぐ役割があるのではないかともいわれている。そのため、最近では若返りの薬として常用する人もいるという。

 なお、通常の服用量はO・5~3mgであるが、70年代にうつ病治療目的で大量投与した実験では病状が悪化したという結果が出ているので要注意である。