独立できなければ翻訳者に将来はない

 

 

今後3年から5年以内に大きな借金や破産を避ける上で、真の独立を獲得し、翻訳会社から自由の身となることがなぜそんなにも重要なのでしょうか。自身のセーフティプランを考慮せず、翻訳会社が提示する低単価で引き受けていると、近い将来における破産を避けることはできないでしょう。レベルの高い最もプロフェッショナルな翻訳者を生かし、低単価で低品質の訳文を提供する者を排除する必要があります。

 

翻訳業が低単価の職業になっている主な理由は、

 

  • 翻訳業者:翻訳会社間の価格戦争による今後の低価格化
  • 翻訳プラットフォームが低コスト低品質になり続けている
  • 外注スパイラル:何重もの外注
  • 機械翻訳Googleなどの機械翻訳の使用増加が、標準的な品質を押し下げている。

 

インターネットや翻訳プラットフォームが実現する前は、翻訳業はフリーランス翻訳者にとって喜ばしき尊い事業でした。翻訳者プラットフォーム(Proz, Gotranslators, Translators Caféなど)の誕生により、低単価で仕事を引き受けるレベルの低い翻訳者が受注するチャンスを得て、単価は急速に低下しました。フリーランス翻訳者は新しい翻訳者プラットフォームに釣り上げられ、メールでの受注に依存するようになり、以前はちゃんとした報酬を支払っていた翻訳会社から定期的に仕事を受けることに頼るようになりました。

 

何重もの外注化

 

このような状況が数年続いただけで、外注を何度も繰り返すスパイラルが生じました。エンドクライアントは翻訳会社Aと契約し、翻訳会社Aは翻訳会社Bと契約し、最終的にはインドやパキスタンレバノンなどの低単価の翻訳会社に行き着くようになりました。このような偽物の翻訳会社はELRA(ものすごい低単価の翻訳会社)と呼ばれています。このような翻訳会社の登録翻訳者は、大抵の場合、翻訳の初心者や学生、副業で翻訳を行うバイリンガルなどになります。ERLAによってはGoogleや他のコンピュータ、支援型ツールを使用し、テキストを機械翻訳します。エンドクライアントがラッキーであれば、別の低品質低単価の翻訳者が訳文の校正を行います。この場合、エンドクライアントは1ワードあたり10円支払いますが、最終的なサービス提供者は1ワードにつき2円しか受け取りません。