煙と消えた植毛代400万円:育毛剤への疑い

 


 この頃になると私は育毛剤全般に対して疑いを持つようになっていました。そもそもなぜ育毛剤は医薬部外品なのか。メーカーは医薬品になると薬局でしか売れないためといいますが、これは怪しい。要は医薬品として厚生省の認可をとるのが面倒くさいから医薬部外品なんです。

 本当に画期的な育毛剤が出来たなら、大正製薬リアップのように従来の製品と差別化をはかって医薬品として厚生省に認可を求めてしかるべきでしょう。なにせ101フィーバーを見ればわかるようにハゲ薬で成功すれば一攫千金の大発明です。厚生省に認可を求めて打ってでないのは中身に自信がないから以外に考えられません。

 そのくせどの育毛剤も効果は6割といったような数値をあげています。まあ、この数値はうぶ毛程度でも生えたことにしてカウントしているそうですが、それにしても疑わしい数値です。疑わしさの証拠を数値としてあげることはここではできませんが、ひとつ言えることは、私はいまだに育毛剤で髪の毛がふさふさになったという人の話を聞いたこともなければ会ったこともないということです。私の行きつけの床屋の話でも、今まで効く育毛剤に出会ったことがないとのことです。効かないものに高い金を出してしまう、育毛剤とは宗教やお守りのようなものなのかもしれません。

 と、今でこそ物事を整理してこんなことが言えますが、当時はまだ育毛市場の策略にハマっていたので、実はメイグイフア以後にも何種類かを試していました。中でも特徴があって覚えているのが、つけた時の爽快感刺激感が素晴らしい「加美乃素ハールワッサー」です。トウガラシ成分がはいっていて非常に気持ちいい。しかも通常の育毛剤が20011で5000円程度なのにハールワッサーは360面で2600円と安い。清涼感が病みつきになって続けていました。ときおり新製品の「薬用不老林LIVEIX」に手を伸ばしたり涙ぐましいレジスタンスも継続しておりました。が、やっぱり効果はありませんでした。

薬ミシュラン』より